飼い主の暗い過去その1
はじめて飼ったシェルティの「すみれ」
小4の終わりごろだったと思う。 そろばん塾から帰ると、母親が犬を洗っていた。
庭に出すとすぐにすみれの花をパクパク食べたので「すみれ」という名前になった。
すみれが1歳くらいになった頃だろうか・・
私の同級生が家に遊びに来て、すみれを抱っこして落としてしまった。
まぁ、もっと言えば私自身も抱っこすることは許されていなかったので「抱っこはしないでね」と何度も頼んだのに、あっという間に抱えて芝生の庭を走ってはしゃぐ彼女に唖然・・・ 数秒後、すみれの悲鳴を聞いて、子供だった私にはどうすることもできず・・
友達は逃げ帰ってしまった。
親は当時市内に一軒しかなかった獣医さんのところにすみれを連れて行ったが、ギブスも何もなく帰って来た。
「治れば治るし、治らなければ治らない」という占い師のようなことを言われた。(涙)
すみれはそれからずっと3本足。
でも本当に器用に庭を駆け回り、不自由さは感じられなかったし、元気一杯だった。
私はと言えば、その友達を家に呼んだせいですみれは怪我をした。つまり自分のせいだと自分を責めた。 何せ相手は子供だし。(自分もだけど)
曲がって上にあがったままの足は痛いのか、少しでも触れると本気で噛みついた。(子供だから目下なんでしょう)
3本足でも立派に走っている姿は頼もしかったけれど、かわいいすみれに痛い思いをさせてしまった後悔の念からなかなか逃れることができなかった。
2年後、すみれは旅立った。 何の前触れもなく突然に。
少なくとも私にはそう思えた。(実はそうではなかったらしいけど)
「足のせいで死んだんだ。きっとそうだ!」
長い間私はずっとそう思っていた。
でも実はフィラリアだったんだって、大人になってから知らされた。
40年近く経ってるんだものね。 チビキは治してあげられるよね。
チビキの足をあげた姿がすみれに重なって一気に思い出してしまったもろもろの思い。
大事な大事なすみれだった。
そして大事な大事なチビキ。
お座りしてないとゴチンするよ!